AI書房
本でAIを読む
金京鎮弁護士のAI・法律・産業・歴史・政治・文化をテーマにしたオンライン書籍を収録しています。各書きは目次・序文・章・エピローグで構成され、連続読書が可能です。
[AI書房] 第2章 銃口の前に立った人
韓東勲の物語
第1部 味方ではなく国を選んだ夜
第2章 銃口の前に立った人
金京鎮
韓東勲が国会議事堂に到着したとき、状況は戦時と変わらぬものでした。
武装した戒厳軍が国会への侵入を試みていました。硝子窓が割れる音とヘリコプターの轟音が混じり合い、地獄絵図を呈していました。
逮捕対象者名簿に与党代表である自身の名前が載っているとの情報も至る所から届いていました。国民の力代表室の隣室まで戒厳軍が侵入していたのです。
逮捕後の移送過程における射殺の脅威に関する証言さえ後に明らかになるほど、状況は厳酷でした。
野党議員の助力を得て、韓東勲は本会議場に入ることができました。これは党派を超えた憲法擁護の問題でした。
本会議場には議員たちが集まっていました。与党議員の姿はめったに見られませんでした。韓東勲は国民の力の議員たちに国会への集結を促しました。テレグラムや電話を通じて説得しました。「戒厳を阻止しなければ保守は生き残れない」「憲法機関としての責任を果たさなければならない」。その結果、18名の国民の力議員が本会議場に結集しました。もし野党議員のみで戒厳解除を議決していたなら、大統領はこれを「反国家勢力の扇動」として無視したかもしれません。与党代表と議員が共に参加した「超党派の拒否」は、いかなる名分でも覆せない憲法上の正当性を確保しました。
その時、当時の民主党代表であった李在明は逮捕を避けて身を潜め、動向を窺っていました。韓東勲は国会本会議場の真ん中で守りを固めていました。彼は後にこう回顧しました。「李在明代表は1時間後にようやく現れました。私は命を賭けて即座に駆けつけました」
12月4日未明1時、国会議長である禹元植の進行のもと、非常戒厳解除要求決議案が上程されました。
電光掲示板に数字が映し出されました。
在席190名。賛成190名。在席議員全員の賛成による満場一致可決でした。与党と野党の区別が消失した瞬間でした。その190票には、韓東勲と彼に従った18名の与党議員が含まれていました。彼らが投じた票は単なる賛成票ではありませんでした。銃口の前でも民主主義を放棄しないという宣言でした。
韓東勲はようやく安堵の息を吐きました。
まさにその瞬間が、大韓民国の運命を分けたのです。彼はこう述べました。「あの夜、戒厳令を解除していなければ、翌朝から街に繰り出した市民と若き軍人たちの間で、恐ろしい流血の事態が勃発していたでしょう」
投票直後、韓東勲は記者たちの前に立ちました。彼の声は断固としていました。「国会の決定により、昨夜発令された違憲・違法な戒厳令は効力を失いました。今、戒厳令を根拠に軍と警察が公権力を行使することは違法です」
この宣言は、混乱に陥っていた軍と警察、そして公務員たちにとって明確な指針となりました。さらなる不法行為を抑止する決定的な役割を果たしたのです。
彼は頭を下げました。「与党としてこのような事態が発生したことを、大変遺憾に思います」