AI Library
自律的科学発見の時代
キム・ギョンジン, 弁護士
AI科学者とセルフドライビング・ラボ
AI科学者とセルフドライビング・ラボが、科学研究における主張の生成と検証をどのように変えつつあるのかを追います。文献に基づく発見、自然言語プロトコルからロボット命令への変換、マルチエージェント研究システム、閉ループ実験室、材料探索、検証ギャップ、証拠の連鎖、研究ハーネス、学術誌倫理、法的責任までを扱います。
AIライブラリ
デジタル主権の二重構造
欧州の脱パランティアとアメリカン・ビッグテックの鎖
金景珍(キム・ギョンジン), 弁護士
欧州の情報機関と国防省が米パランティアの分析ツールを排除し始めた2026年の記録です。フランス国内治安総局とドイツ連邦憲法擁護庁、オランダ国防省の置き換え決定、米国の輸出規制が同盟国の人工知能アクセスをわずか3日で遮断した事件、CLOUD ActとFISA 702条がもたらした域外管轄の実態を扱っています。欧州連合のクラウド・AI開発法(CADA)が定めた4段階の主権保証レベルと主権理由による契約解除権、ユーロスタック構想と3,000億ユーロの投資障壁に至るまで、全5章15節と結論2節で整理しました。
[AI書斎] 第17章 事務所で使う自動化
AIに任せて席を離れる - YOLOモード完全入門
第17章 事務所で使う自動化
キム・ギョンジン弁護士
事例13)Gmailの受信トレイを分類して返信の下書きを作成
場面
月曜日の朝9時。スタートアップの運営チームリーダー、オ・ジヒョンさんがGmailを開きました。週末の間に届いたメールは87通。広告メール、ニュースレター、取引先からの連絡、チームメンバーの報告、顧客からの問い合わせが入り混じっています。これを分類して、急ぎのものにはすぐ返信し、後で読むものにはスターを付けなければなりません。
コマンド
Gmail API(エーピーアイ、プログラム同士がやり取りする通路)を通じてメールを取得できます。GoogleでAPIキーを発行する必要がありますが、最初に一度設定するだけで済みます。
「Gmailの受信トレイから未読メールをすべて取得して、カテゴリ別に分類してください。カテゴリは『緊急』『取引先』『社内』『ニュースレター』『その他』に分けてください。緊急メールには返信の下書きを作ってください。結果をmail_summary_0513.txtに保存してください。」
進行過程
Claude Codeがメール87通をGmail API経由で取得します。件名と本文を読んでカテゴリに分類します。「お支払いの件、ご確認をお願いします」は取引先、「月曜の週次報告です」は社内、「週刊ニュースレター」はニュースレターに分類されます。
緊急に分類されたメール5通について返信の下書きを作成します。「確認しました。本日中に対応いたします」といった簡潔な返信です。
全工程で5分。
結果
mail_summary_0513.txtというファイル。カテゴリ別にメールが整理されており、緊急メールの横には返信の下書きが添えられています。オ・ジヒョンさんはこのファイルをざっと見ながら、急ぎのものにはすぐ返信し、残りは時間のあるときに確認すればよくなります。
コスト
所要時間5分、費用150円から250円程度。
リスク
メールには会社の機密情報が含まれている場合があります。Claude APIを使うと、メールの内容がAnthropicのサーバーを経由します。会社のセキュリティポリシーによっては、これが許可されていないこともあります。重要な機密を含むメールがある場合は、この方法を使う前に情報セキュリティ担当者に相談してください。
自分たちも試してみるには
Google Cloud ConsoleでGmail APIを有効化し、認証情報を発行する必要があります。この手順は最初に少し複雑ですが、Claude Codeに「Gmail APIの設定方法を教えて」と聞けば、ステップごとに案内してくれます。一度設定すれば、その後はずっと使い続けられます。
事例14)Slackチャンネルの雑談をまとめて要約を送る
場面
金曜日の午後5時。一週間でSlack(スラック、ビジネス向けメッセンジャー)チャンネルに積み上がったメッセージが400件超。ほとんどは雑談で、重要な決定事項は5件ほどありますが、どこに埋まっているかわかりません。
コマンド
「Slackの#generalチャンネルから今週の月曜日から今日までのメッセージを取得して、業務に関する内容だけを選んでまとめてください。決定事項、タスク、共有されたリンクを別々に整理してください。結果を『今週のまとめ』というタイトルで#generalチャンネルに送ってください。」
進行過程
Claude CodeがSlack APIでメッセージを取得し、雑談と業務内容を仕分けして、要約を作成します。3分。
結果
Slackチャンネルに要約メッセージが投稿されます。「今週の決定事項:Aプロジェクトのスケジュールを2週間延期、B取引先との契約更新完了、C機能の優先順位変更…」といった内容です。
コスト
時間3分、費用約80円。
リスク
事例13と同様のセキュリティ上の問題があります。Slackメッセージの内容が外部サーバーを経由します。
自分たちも試すには
Slackアプリを作成してAPIトークンを発行する必要があります。Slack管理者権限が必要です。
事例15)Notionページの自動更新
場面
チームの議事録をNotion(ノーション、文書管理ツール)にまとめています。毎週議事録ファイルが一つずつ追加されるのですが、「議事録まとめ」ページに新しい議事録のリンクを手動で追加しなければなりません。うっかり忘れると後でまとめてやる羽目になり、それもまた面倒です。
指示
「Notion APIで『議事録』データベースに新しい項目が追加されたら、『議事録まとめ』ページに自動でリンクを追加して。毎日午後6時に確認して更新して。」
進め方
Claude CodeがNotion APIに接続し、「議事録」データベースを照会して、「議事録まとめ」ページを更新するスクリプトを作成します。このスクリプトを毎日午後6時に自動実行されるよう設定します。
結果
毎日午後6時に「議事録まとめ」ページが自動で更新されます。
コスト
設定に10分、その後は毎日の自動実行で1円前後。
リスク
Notion APIキーが漏洩すると、誰かに自分のNotionを覗かれる恐れがあります。APIキーは環境変数に保存してください。
自分たちも試すには
Notion開発者ポータル(https://developers.notion.com)でインテグレーション(Integration)を作成し、APIキーを発行する必要があります。該当のデータベースにインテグレーションを接続して初めてアクセスできます。
事例16)競合他社のウェブサイト変化追跡レポート
場面
オンラインショッピングモールを運営するキム社長。競合他社3社のウェブサイトを毎週1回確認しています。価格が変わっていないか、新製品が出ていないか、イベントをやっていないか。3サイトを見て回るのに1時間、変化をまとめるのにさらに30分かかります。
命令
「次の3つのウェブサイトに、毎週月曜日の朝7時にアクセスしてください。
1) competitor-a.com/products
2) competitor-b.com/new-arrivals
3) competitor-c.com/events
各サイトの内容を保存し、先週と比べて変わった点をまとめてください。結果を競合他社_変化_今週.txtとして保存してください。」
進行プロセス
Claude Codeがウェブスクレイピング(web scraping、ウェブサイトの内容を自動で取得すること)スクリプトを作成します。毎週3サイトの内容を取得してテキストとして保存し、先週の保存データと比較します。新たに追加された製品、価格が変わった項目、新しいイベントを見つけてレポートにまとめます。
結果
毎週月曜日の朝に競合他社_変化_今週.txtファイルが生成されます。「A社:ハンドクリーム新製品発売(1,500円)、B社:全品目20%割引イベント(〜5/20)、C社:変化なし」といった内容です。
コスト
設定時間15分、以降は毎週自動実行で約100円。
リスク
ウェブスクレイピングを禁止しているサイトがあります。サイトの利用規約に「自動収集禁止」と記載されている場合、法的な問題になる可能性があります。必ず確認してから使ってください。robots.txt(ロボッツテキスト、ウェブサイトが自動収集の許可範囲を記載したファイル)を確認することをお勧めします。
サイトの構造が変わると、スクレイピングが機能しなくなります。「エラーが発生しました」というレポートが届いたら、スクリプトを修正する必要があります。
自分でも試すには
競合他社のウェブサイトのアドレスと、そのサイトでどんな情報を追跡したいか(価格、新製品、イベント)を具体的に教えてください。Dockerの中で動かすのが安全です。
失敗事例:重要なメールをスパムに分類してしまったケース
事例13のようにGmailの振り分けをAIに任せた人がいました。1週間はうまく動いていたのですが、金曜日に取引先の社長から電話がかかってきました。
「先週の火曜日に送った契約書のメール、確認されましたか?」
確認していませんでした。AIがそのメールを「ニュースレター」に振り分けていて、気づかなかったのです。取引先の社長が送ってきたメールの件名が「5月ニュースレター関連の協業提案」だったため、件名に「ニュースレター」という言葉が入っているとAIが判断し、ニュースレターに分類してしまったのです。
人間なら送信者を見て「ああ、取引先の社長から来たメールだからニュースレターじゃないだろう」と判断できたはずです。AIは件名のキーワードに強く反応してしまいました。
対策として、重要な取引先のメールアドレスをあらかじめ登録しておいてください。「このアドレスから来たメールは必ず『緊急』に分類して」と指定するのです。そしてAIが分類した結果を、一日に一度は全体的に見直してください。分類の自動化は便利ですが、完全に任せきりにするとこうしたミスが起きます。

















