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自律的科学発見の時代
キム・ギョンジン, 弁護士
AI科学者とセルフドライビング・ラボ
AI科学者とセルフドライビング・ラボが、科学研究における主張の生成と検証をどのように変えつつあるのかを追います。文献に基づく発見、自然言語プロトコルからロボット命令への変換、マルチエージェント研究システム、閉ループ実験室、材料探索、検証ギャップ、証拠の連鎖、研究ハーネス、学術誌倫理、法的責任までを扱います。
AIライブラリ
デジタル主権の二重構造
欧州の脱パランティアとアメリカン・ビッグテックの鎖
金景珍(キム・ギョンジン), 弁護士
欧州の情報機関と国防省が米パランティアの分析ツールを排除し始めた2026年の記録です。フランス国内治安総局とドイツ連邦憲法擁護庁、オランダ国防省の置き換え決定、米国の輸出規制が同盟国の人工知能アクセスをわずか3日で遮断した事件、CLOUD ActとFISA 702条がもたらした域外管轄の実態を扱っています。欧州連合のクラウド・AI開発法(CADA)が定めた4段階の主権保証レベルと主権理由による契約解除権、ユーロスタック構想と3,000億ユーロの投資障壁に至るまで、全5章15節と結論2節で整理しました。
[AI書房] 第1章 Claude Codeの実践活用事例
Claude Code完全攻略
第1部
第1章 Claude Codeの実践活用事例
金京鎮
会議録の要約と担当者別フォローアップ表の作成
会議が終了すると録音ファイルは残りますが、それを読み込んで要約し、担当者別の後続措置を整理する作業は、従来は人が手作業で行う必要がありました。Claude Codeに録音ファイル1つと一行の指示を与えるだけで、数分後にはWord形式で整理された議事録がフォルダに保存されます。
準備は非常にシンプルです。Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Fireflies、Clova Note、Granolaのいずれのツールを使用しても、会議終了後に録音テキストをテキストファイルとしてエクスポートできます。Zoomでは「Save Transcript」機能で.vttまたは.txtファイルを保存でき、Teamsでは会議詳細ページから.docx形式で取得可能です。
このファイルをプロジェクトフォルダ内の「transcripts」サブフォルダに配置するだけです。
ターミナルでプロジェクトフォルダに移動し、Claude Codeを実行します。
対話が開始されると、自然言語で指示を出します。「transcripts フォルダ内の 2026-04-15_役員会議.txt ファイルを読み、10 行の要約、決定事項一覧、担当者別フォローアップ表を含む Word ファイルを summaries フォルダに保存してください。ファイル名は元の日付と会議名に従ってください。」
Claude Code は python-docx ライブラリを内部で呼び出し、実際に開いて編集可能な.docx ファイルを生成します。結果には三つの要素が含まれます。第一に、会議の性質を 10 行に圧縮した要約です。90 分の会議でも 20 分の会議でも、核心となる論点は同じ密度で整理されます。第二に、決定された事項のみを抽出した一覧です。
各議題には「何を決定したか、なぜそのように決定したか」が添えられます。第三に、担当者・作業内容・期限の三列で構成されたフォローアップ表です。録音テキストに「水曜日までにお送りします」のような発言が含まれている場合、担当者の名前と期限が自動的に抽出されます。
結果物の有用性は、プロンプトの具体性に比例します。「会議の要約をしてくれ」よりも、文脈を共有する方が望ましいです。「この録音テキストは 2026 年 4 月 15 日の役員会議の記録であり、出席者は代表、CTO、マーケティング担当の三人です。決定を中心に要約し、発言者ごとの傾向分析は除外してください」と指示すれば、出力ははるかに整理されます。
Slack や Notion への直接投稿用であれば、形式をさらに指示できます。「Slack に貼り付けるので、マークダウンなしで 300 文字以内の平文による要約をもう一つ作成してください。Notion に貼り付ける場合は、チェックボックスと小見出しを含むマークダウン形式で。」
反復的な業務であれば、この手順を「CLAUDE.md」に永続的な指示として保存しておくことをお勧めします。
次回以降の会議では、ファイルを「transcripts」フォルダに置くだけで、「新しい録音テキストを処理してください」と一言伝えるだけで済みます。セッションが変わっても「CLAUDE.md」の規則が毎回読み込まれるため、品質は一定に保たれます。
一つ注意すべき点があります。録音テキストには会議参加者の発言がそのまま含まれるため、機密情報です。法務相談の会議、人事に関する議論、顧客とのミーティングの内容については、組織のデータポリシーに従って外部AIへの送信が可能かどうかを事前に確認する必要があります。弁護士業務においては、依頼者の情報が含まれる録音テキストには特に慎重であるべきです。社内規定により、API経路のみを使用するか、匿名化処理を施してからアップロードする手順が必要です。
Claudeが作成した議事録はあくまで草案です。数値、日付、金額、法令条文など、誤りが致命的になり得る項目は必ず原文の録音テキストと照合しなければなりません。特に「何パーセントの値上げに合意した」「いつまでに納品することになった」といった具体的な約束については、録音テキストの原文を再度確認する手順を省略してはいけません。
ダウンロードフォルダの自動整理
ダウンロードフォルダを放置すると、数百ものファイルが混在して積み重なります。PDF領収書、スクリーンショット、契約書の草案、名前がぐちゃぐちゃになったCSV、古いインストーラーファイルなど、すべてが一つの場所に集まります。探したいファイルを見つけるのに、また数分を費やすことになります。Claude Codeを使えば、一度の指示でファイルを種類と日付ごとに分類し、古いものはアーカイブへ移動し、疑わしいファイルは別途取り出す作業を数分で完了できます。
始める前に必ず守るべき原則が一つあります。ファイル移動スクリプトは、最初から実際に移動させるのではなく、まずドライランで実行して、何がどこへ移動するかを確認する必要があります。重要なファイルが間違ったフォルダへ移動してしまうと、そのファイルを探す作業が整理前よりもさらに苦痛なものになります。
ターミナルで作業用フォルダを準備します。
Claude Codeが実行されたら、以下のように指示します。「~/Downloadsフォルダを整理するPythonスクリプトを作成してください。画像(.jpg .png .gif .webp)はPicturesフォルダへ、PDFはDocuments/PDFsへ、動画(.mp4 .mov .mkv)はVideosへ、コードファイル(.py .js .ts)はProjects/Codeへ分類し、それ以外はOtherへ移動させてください。」
6ヶ月以上経過したファイルはArchiveへ移動し、同じ名前のファイルが2つ以上発見された場合は'DuplicateCheck'フォルダへ分離してください。何も削除せず、--dry-runフラグをデフォルトで有効にしてください。実行ログはorganize_log.txtに記録してください。」
Claude Code がスクリプトを作成した後、ターミナルでまずドライランを実行します。
出力ログを確認し、意図通りに動作しそうであれば実際に実行します。
186 個のファイルを基準にすると、約 1 分 30 秒から 2 分以内に整理が完了します。ファイルの内容まで読み込んで分類するよう指示すれば時間はかかりますが、精度は向上します。例えば「image_001.jpg」という名前のファイルが実際にはスキャンされた領収書である場合、拡張子だけを見て Pictures に送るのではなく、内容を読み取って Documents/Receipts に送る判断が可能です。
この作業を一度作成しておけば、再度作成する必要はありません。完成したスクリプトはバージョン管理し、毎月一度実行すればよいのです。クローンタスクに登録して毎週日曜日の深夜に自動実行させることもできます。
さらに一歩進めれば、内容に基づく分類も可能です。領収書の PDF をフォルダに集め、「各ファイルの PDF 内容を読み取って『年-月-日_企業名_金額』という形式で名前を変更してください。元の名前と変更後の名前を記録した changelog.txt も残してください」と指示すれば、OCR とテキスト抽出を経て一括名前変更が行われます。
OCR 認識が不確かな項目は、ファイル名に「[確認必要]」という接頭辞が付与され、人間による確認が可能になります。
弁護士事務所でこの手法を応用すれば、その有用性はさらに高まります。事件ごとに「依頼者から送付された資料」フォルダが作成され、そこには写真、スキャンファイル、韓国語文書、録音テキストが混在して格納されます。分類ルールを事件の性質に合わせて事前に設定しておけば、依頼者が資料を送付するたびにフォルダ構造が自動的に整理されます。
「刑事/証拠写真、刑事/証人調書、刑事/依頼者メモ、民事/契約書、民事/取引履歴」のような分類を CLAUDE.md に保存しておけばよいのです。
守るべき大きな原則は一つだけです。ファイル操作スクリプトは常にドライランオプションをデフォルトとし、実際の実行は明示的なフラグを付与した場合のみ動作するように設定します。Claude Code にスクリプト作成を任せる際、このルールをプロンプトに含めることでミスを減らすことができます。5 分かかる反復作業に 2 時間をかけて自動化すれば、その後は毎年 28 時間の節約になります。これは時間の複利効果です。
メール分類と返信草案作成
受信トレイが業務を支配する状況は誰にでも馴染み深いものです。1日に200通、300通とメールが溜まると、重要なメールが広告や自動通知の間に埋もれてしまいます。Claude CodeにGmailを接続すれば、朝30秒以内に「返信要・要確認・ノイズ」の3段階で分類されたサマリーが表示され、重要なメールについては、ご自身の口調で書かれた返信ドラフトも一時保存フォルダに保存されます。
核心は2点です。第一に、決して自動送信しないこと。第二に、ご自身の口調を学習させることです。
GmailをClaude Codeに接続する方法はいくつかありますが、Gmail MCP接続機能を利用する方が最も安定しています。Google Cloud ConsoleでOAuth資格証明を作成し、Claude Codeに登録します。
初回実行時にブラウザでGoogleアカウントの認証を完了すれば、接続は完了します。アカウントが複数ある場合(個人用、業務用、ニュースレター用など)は、それぞれ異なる名称で登録してください。gmail-personal、gmail-businessのように名称を区別しておけば、「業務メールのみ分類して」といった指示が可能になります。
まずご自身の口調プロファイルを作成しておきます。送信済みフォルダの直近20通をClaude Codeに読み込ませ、口調の特徴を抽出させます。
「私の Gmail の個人用送信済みフォルダから最近の 20 通を読み、私の話し方の特徴を分析してください。文の長さ、挨拶のパターン、頻繁に使用する接続詞、丁寧さのレベル、署名のスタイルをまとめ、『私の_メール_トーン.md』というファイルに保存してください。」
この .md ファイルは、その後の返信下書きの基準となります。次からは以下のように指示してください。「過去 12 時間以内に受信したメールをスキャンし、(1) 返信が必要 (2) 後で確認 (3) 不要の 3 つの段階に分類してください。返信が必要な項目には、『私の_メール_トーン.md』のトーンを適用した返信下書きを作成し、Gmail の一時保管フォルダに保存してください。決して送信せず、下書きとしてのみ保存してください。」
VIP リストは、代表者、主要取引先の代表者、法人カード担当者です。VIP のメールは最優先で処理してください。」
結果は次のようになります。未読の 918 通のうち 7 通が「返信必要」としてリストアップされ、各メールの横に下書き番号が付与されます。「3 番の下書きのトーンをもう少し柔らかく変更してください」と続けて指示すると、即座に修正されます。」
このワークフローを毎日朝に自動実行するには、スケジュールフックを設定することができます。」
これで、毎朝「/morning-email」と入力するだけで、このルーチンが実行されます。人間がすべきことは、下読みの確認、修正、そして送信ボタンを押すことだけです。
弁護士業務においてこの手法は特に有用です。事件ごとに依頼人と交わしたメールスレッドが数百通も蓄積され、朝にどの事件で何が進捗したかを確認するだけで30分もかかってしまいます。「事件番号のラベルが付いたメールを事件ごとにグループ化し、各事件で直近24時間以内に発生した出来事を1段落で要約してください」と指示すれば、事件別のブリーフィングが即座に生成されます。
依頼人が新たに提供した資料、相手方からの連絡、私が約束した後続措置を区別して整理してください」と指示すれば、事件別のブリーフィングが即座に生成されます。
絶対に守らなければならない原則があります。AIが作成したメールの下書きをそのまま送信しないことです。友人への手紙、ビジネスパートナーへの提案、依頼人への返信において、言葉の一つのニュアンスが結果を左右します。コード作成はAIに任せても構いませんが、メールは最終的に人間が読み、修正する必要があります。不備のあるメールは、一度送信すれば取り消すことはできません。
法律相談のメールで単語一つが誤って使われれば、依頼人はそのメールを根拠に行動します。下書きは迅速に作成しつつ、送信ボタンは人間が押すという原則を、一度も破らないことが、弁護士の実務においては特に重要です。
ファイルの一括名前変更 — 内容を読み取って変更する
領収書、契約書、スキャンした税抜請求書のように内容は構造化されているものの、ファイル名がぐちゃぐちゃになっているケースが少なくありません。IMG_2341.jpg、scan_0019.pdf、無題-3.pdfといった名前の中で特定の取引を見つけようとすると、ファイルを一つずつ開いて確認する必要があります。Claude Code はファイルの中身を直接読み取り、一貫した規則に従って名前を付け直します。
作業手順は常に同じです。第一に、バックアップを作成します。第二に、ドライランで結果を事前に確認します。第三に、実際の名前変更を実行します。第四に、変更ログを残します。
ターミナルで作業フォルダを準備します。
Claude Code に指示を出します。「このフォルダ内のすべての領収書 PDF と JPG ファイルの内容を読み取り、会社名、取引日、金額を抽出してください。ファイル名を「2026-MM-DD_会社名_金額.拡張子」の形式に変更してください。会社名にスペースが含まれる場合はアンダースコアに置き換えてください。抽出が曖昧なファイルには名前の上に「[確認必要]」を付加し、rename_log.csv にその理由を記録してください。まずは --dry-run で実行して、どのように変更されるか見せてください。」
Claude が作成したスクリプトをドライランで確認します。予想される変更履歴が表形式で出力されます。
元のファイル名 → 新しいファイル名 IMG_2341.jpg → 2026-01-15_スターバックス_4800.jpg scan_0019.pdf → 2026-01-22_ソウルガーデン_87000.pdf 無題-3.pdf → [確認必要]_無題-3.pdf (店名不明)
意図通りであれば、実際に実行します。
変更ログには、元のファイル名、新しいファイル名、抽出されたデータ、信頼度スコアがすべて記録されます。このログファイル一つがあれば、後で問題が発生した際に、どのファイルをどのように変更したかを 100% 追跡できます。
法律事務所では、この方式が特に有用です。事件記録は数千の PDF が蓄積されますが、スキャンしてアップロードされたファイルのほとんどは無意味なファイル名を持っています。
各ファイルから事件番号、文書類型(訴状/答弁書/準備書面/証拠)、作成日付を抽出し、「事件番号_文書類型_作成日付.pdf」という形式に名前を変更し、事件番号ごとのサブフォルダに移動させるよう指示すれば、数日かかる分類作業が数時間で完了します。事件番号の抽出が不可能なファイルは「未分類」フォルダに振り分けられます。
判別が曖昧なファイルについては、常に「[確認必要]」という接頭辞を付与するよう指示するのが安全です。AI が「これで合っているだろう」と推定した結果をそのまま受け入れると、事件記録から数件のファイルが誤った事件番号に分類される事態が発生する可能性があります。法律文書においてこのようなミスは致命的です。
応用範囲はさらに広がります。写真フォルダでは「EXIF メタデータを読み取り、『撮影日付_場所.jpg』という形式に名前を変更してください」と指示できます。動画の録画本については「画面録画フレームを分析して『日付_プログラム名_活動内容.mp4』に名前を変更してください」となります。論文のPDFについては「ファイルから著者、年次、タイトルを抽出し、『著者_年次_タイトル.pdf』という形式に名前を変更してください」という指示で完了します。
ファイルを開く人の習慣に合わせてルールを切り替えるだけで、同じエンジンがあらゆるフォルダを整理します。
最も重要な原則は一つ。名前の変更は元に戻すのが困難です。1,000件のファイルを一括変更した結果が誤ったものだった場合、ログを確認して一つずつ元に戻すしかありません。そのため、常に次の三つを守ります。バックアップを取る。ドライランで事前に確認する。ログを残す。この三つをプロンプトに事前に明記しておけば、同じ過ちを繰り返すことはありません。一見些細に見えるこの三行が、週末一日丸ごと失う事故を防ぎます。
領収書と請求書のExcel化
スキャンした領収書やPDFの請求書が数十枚も積み重なると、月末の精算は苦痛を伴います。Excelを開いて、店名、日付、金額、カテゴリを手作業で一つずつ入力するのは単純な作業ですが、退屈でミスも起こりやすいものです。Claude Codeはこの作業を一度の指示で完了させます。数式も機能する実際の.xlsxファイルがフォルダに生成されます。
準備は簡単です。領収書の写真とPDFを一つのフォルダに集め、Claude Codeをそのフォルダで実行します。
指示を出します。「このフォルダにあるすべての領収書画像とPDFを読み取り、店名、日付、金額、決済カテゴリ(食事・交通・事務用品・接待費・その他)を抽出してください。Excelファイルとして保存し、日付順に並べ替え、カテゴリごとの合計をSUMIF数式で記載してください。OCR認識が不明瞭な項目は備考欄に「要確認」と表示してください。ファイル名はreceipts_2026April.xlsxとします。」
数分後、フォルダにExcelファイルが生成されます。開くと、6つの列で構成された表が表示されます。日付、店名、金額、カテゴリ、決済手段、備考です。表の下にはカテゴリごとの合計が数式で記載されています。Excel上で直接数値を変更しても、合計は自動的に更新されます。
この文書が実際に数式を機能させる Excel ファイルである点が肝心です。Claude Code は内部で openpyxl ライブラリを呼び出し、セル値だけでなく数式、条件付き書式、ピボットテーブルまでファイルに記録します。開いてみると、=SUMIF(D:D,"食費",C:C) といった数式が実際に残っています。
精算カテゴリが会社ごとに異なる場合は、CLAUDE.md にカテゴリ定義を保存しておきます。
今月以降は、ファイルをフォルダに放り込んで「今月の領収書を Excel にまとめてください」と一言言うだけで済みます。
請求書はさらに一歩進めることができます。ホームタックスで受け取った電子請求書の XML をフォルダに集め、「XML を解析して、供給者、供給先、品目、供給価額、税額、合計を Excel に整理してください。売掛分と買掛分は別シートに分けてください。月ごとの消費税合計を別シートで要約してください」と指示すれば、消費税申告の基礎資料がすぐに作成されます。
弁護士事務所では、この方式を着手金管理にも活用しています。依頼者ごとに着手契約書、入金確認書、出張費領収書が混在して積み上がると、事件終了後の精算が複雑になります。「事件番号ごとにフォルダ内の領収書と入金証を読み取り、着手金請求分と実費精算分を別列に分けた Excel を作成してください」と指示すれば、整理が容易になります。
各事案ごとに総実費、総受任料、未収残額を計算してください、と指示すれば、依頼者にすぐに送れる精算書の草案が完成します。
OCR認識率が低下する領収書は必ず存在します。ぼやけた写真、しわくちゃの紙、領収書の裏面の広告文が混在している場合です。AIはこれらのファイルを「確認必要」と表示しますが、人間が最後に備考欄をざっと見て直接修正する必要があります。法人精算では件ごとの金額が正確である必要があり、税務調査では原本の領収書と帳簿記録が一致していなければなりません。
数値自動化の利便性は、数値検証の責任を軽減するものではありません。エクセル作成に30分かかろうと30秒かかろうと、数値が正しいと確信することは人の役割です。
複数の文書を1つの報告書に統合
1つの事案、1つのプロジェクトを完了する頃には、フォルダを開くとファイル形式がそれぞれ異なります。PDFの資料調査報告書、テキストメモ、マークダウンノート、CSVデータ、エクセルシート、ワードの草案まで。これを1つのワード文書に統合するには、開いてコピーして貼り付け、書式を合わせるという退屈な作業に半日かかります。Claude Codeはファイル形式が異なっても内容を読み取り、1つの報告書として組み立てます。
仕組みはシンプルです。Claude Code は、pypdf、python-docx、openpyxl、pandas といったライブラリを状況に応じて使い分け、ファイルを読み込んで異なる形式のデータをテキストに統一した上で、最終的な文書を組み立てます。人間が行うのは、「元ファイルの場所」と「どのような成果物を望むか」という指示を一度与えることだけです。
作業用フォルダを準備します。
Claude Code を実行し、指示を出します。
「このフォルダ内のすべてのファイルを読み込み、一つの事件終結報告書を Word 形式で組み立ててください。構成は、(1) 事件概要、(2) 時系列タイムライン、(3) 関係者証言の要約、(4) 証拠一覧、(5) 財務分析、(6) 結論および後続措置の順で行ってください。日付表記は YYYY-MM-DD に統一し、金額はすべて韓国ウォン (₩) 基準に統一してください。CSV 形式の表は Word 表に変換して含めてください。」
各セクションの末尾には、出典となるファイル名を脚注として記載してください。ファイル名は「Case_2026_042_Final_Report.docx」として保存してください。」
Claude Code は内部で 3 つの段階を踏みます。第一に抽出段階です。各ファイルを形式に合わせたライブラリで開き、テキストに変換します。第二に精製段階です。日付表記、通貨単位、人名表記を統一します。同じ人物が「洪吉洞」と「洪 吉洞」のように混在している場合は、一つの表記に整理します。第三に組み立て段階です。指示されたセクション構造に合わせて内容を再配置し、CSV の表を実際の Word 表に変換して挿入します。
ファイル数が多い場合、Claude Code は補助エージェントを並列で稼働させます。あるエージェントが PDF を読んでいる間に、別のエージェントが Excel を解析し、さらに別エージェントが録音テキストを要約します。50 個のファイルが混在するフォルダでも、数分以内に整理されます。
弁護士業務においてこの方式は特に有用です。事件が数ヶ月にわたって進行すると、クライアントから送付された資料、相手方の答弁書、証人陳述書、判例資料、銀行取引明細書がファイルごとに蓄積されます。裁判準備書面を作成する際、これらすべての資料を精査して事実関係を整理する作業が最も時間を要します。「このフォルダ内のすべての資料を読み込み、時系列の事実関係整理表を作成してください。
各事実の根拠となるファイル名とページ番号を必ず記載してください。矛盾する陳述がある場合は、別セクションに表示してください」と指示すれば、準備書面の骨格が 1 時間以内に完成します。
一つだけ心に留めておくべき点があります。Claude が組み立てた報告書はあくまで草案です。法律文書において事実が一つでも誤っていれば、全体の論理が崩壊します。各セクション末尾に記載された根拠となるファイル名とページ番号を基に、重要な事実は必ず原典を再度開いて確認する必要があります。特に金額、日付、当事者の氏名、契約条項番号については、目で一度再確認する工程を省略することはできません。
反復される報告書フォーマットがある場合は、CLAUDE.md にテンプレートを保存しておきます。
次の事件からは、「事件フォルダ内の資料で終結報告書を作成してください」と一言伝えるだけで、同じフォーマットの報告書が生成されます。フォーマットが一定であれば、読む側は事件ごとに構造を再確認する必要がなく、事務所内の資料管理も一貫性を保つことができます。
週次報告書の自動生成 — Notion、Slack、Google Drive の統合
月曜日の朝、週次報告書を作成するために机に向かうと、過去一週間に起きた出来事を改めて集めることから始まります。Notion のプロジェクトボードを開いて完了した課題を数え、Slack を遡って決定事項を探し、Google Drive に新しくアップロードされた文書を確認します。資料収集に1時間、整理にさらに1時間がかかります。Claude Code はこれら3つのツールを同時に接続し、このプロセスを数分に短縮します。
まず3つのコネクタを接続します。Notion、Slack、Google Drive にはそれぞれ公式の MCP 接続サーバーが用意されています。
各コネクタの初回認証は、ブラウザで OAuth ウィンドウが開き、アカウントとアクセス範囲を選択する単一の手順です。Notion は特定のワークスペースとページのみへの権限を付与し、Slack は必要なチャンネルへのアクセスのみを制限できます。依頼者情報が含まれる Notion ページや法務チーム専用の Slack チャンネルは、意図的に範囲を狭めて接続する方が安全です。
接続が完了したら、Claude Code セッションで指示を出します。
「毎週金曜日の午後 5 時に実行される週次レポートスキルを作成してください。」
(絵文字 が付いたメッセージは決定事項とみなします)。
Claude Code は 3 つのツールを同時に呼び出します。Notion ではデータベースフィルターを適用して完了項目のみを取得し、Slack ではチャンネル別メッセージを検索して 絵文字が付いたもののみを抽出します。Drive では modifiedTime フィールドを用いて最近変更されたファイルのみをフィルタリングします。これらすべての結果を 1 つのレポートに組み立て、Word ファイルとして出力します。
さらに、この作業をスケジュールに登録することも可能です。2026年4月14日にリリースされた「Claude Code Routines」を利用すれば、毎週金曜日の午後5時に自動的に実行されます。
「/schedule 毎週金曜日の午後5時に週次レポートルーチンを実行」
RoutinesはAnthropicのクラウド上で実行されるため、ノートパソコンを閉じていても、出張中であっても動作します。Proプランでは1日5回、Maxプランでは15回、TeamおよびEnterpriseプランでは1日25回まで実行可能です。自分のMacのみで実行したい場合は、Desktopの「Scheduled Tasks」を利用する方がシンプルです。
この場合、コンピュータが起動しており、Claude Desktopアプリが開かれている必要があるという制約がありますが、ローカルファイルへのアクセスははるかに自由です。
注意すべき点が2つあります。第一に、機密データの接続範囲は慎重に設定する必要があります。依頼者名、事件の詳細、契約金額などの情報は、接続されたサービスを経由してAIサーバーへ送受信される構造であるため、依頼契約でAIツールの使用を許可した場合のみ利用するか、匿名化処理を施した別ワークスペースを構築して運用する方が望ましいです。
第二に、報告書の草案をそのまま上司に送らない方が良いでしょう。Notionデータベースのフィルタ設定が誤って完了項目が漏れることが時々あります。人間が最後に一度目を通し、「この項目が抜けている」と指摘すれば、すぐに修正して再生成します。自動化は人間の判断を代替するものではなく、人間が判断するための時間を生み出すツールです。
競合他社のニュースモニタリングとブリーフィング
法務市場の競争環境、新たな判例、関心のある企業の開示情報などは、毎日追いかけてこそ価値があります。しかし、ニュースサイト十箇所を回りながら読み、重要なものを抽出するのは、一日に数時間を要します。Claude Codeはウェブ検索をツールとして備えているため、「今日これらの企業に関する新しいニュースを整理してほしい」と一言伝えるだけで、自動的に検索して要約し、フォルダに保存してくれます。
この作業の核心は、検索範囲と要約形式を具体的に指定することです。
「毎日朝7時に実行される競合他社モニタリングルーチンを作成してください。対象企業は法務法人金&張、広場、世宗、ユルチョン、太平洋の五社で、確認すべき内容は(1)新たに獲得したパートナー弁護士(2)新しいプラクティスグループの発足(3)主要な受任公告(4)メディアインタビュー・コラム寄稿の四つです。過去24時間以内に発表された内容のみを取得し、韓国語ニュースを中心に検索してください。」
結果は「~/intel/YYYY-MM-DD_law_market_brief.md」ファイルに保存し、各項目の末尾には必ず出典 URL を記載してください。重要度は「上・中・下」に分類し、上級項目のみを最上部に集約してください。
Claude はウェブ検索ツールを用いて、各企業名とキーワードの組み合わせで検索を行います。「キム・チャン・パートナーの獲得 2026」や「広場新グループの発足」のように日付を含めたクエリを作成し、上位の結果から核心のみを抽出します。結果はマークダウンファイルとして保存され、Obsidian や Notion で即座に閲覧可能です。
企業ニュースだけでなく、判例や法令のモニタリングにおいても、同じパターンが適用されます。
「毎週月曜日の朝 8 時に、新規判例のブリーフィングを作成してください。関心領域は、(1) AI・データ関連の判例、(2) 個人情報保護法違反、(3) スタートアップ投資契約紛争の 3 つです。国内法務サイト(law.go.kr、scourt.go.kr)および主要ロームのブログから、先週に判決・公開された判例を探してください。」
各判例について、事件番号、争点、判示事項を整理し、なぜ実務上重要かを 2 から 3 文で解説を加えてください。結果は「~/intel/YYYY-MM-DD_precedent_brief.md」に保存し、「~/blog_ideas.md」ファイルにはブログ記事のアイデアを 3 つ提案してください。
ここから一歩進めば、収集した情報を単に保存するだけでなく、すぐに文章化することも可能です。競合他社の動向の要約の後に「この情報の中からブログ記事のテーマに適切なものを3つ選び、各テーマについて概要を書いてください」と追加すれば、毎朝コンテンツ企画の資料も一緒に得られます。
個人の領域でも同じパターンが適用されます。投資ポートフォリオに含まれる企業、自分が利用しているサービスの利用規約変更、関心のある技術分野の主要論文を毎日チェックして、一日分の要約を受け取るような使い方です。「サムスン電子、SKハイニクス、ネイバーの過去24時間の株価関連ニュースと開示情報を確認してください。
価格変動率が±3%以上の銘柄を最上位に表示してください。重要な開示情報は全文を要約してください」と指示すれば、個別銘柄分析のための基礎資料が毎朝フォルダに蓄積されます。
ウェブ検索結果には一つの弱点があります。情報の信頼性がばらついている点です。AIが検索して取得したニュースは、時としてブログの要約や数段階を経た記事であることもあれば、稀に誤った日付が付けられた過去のニュースであることもあります。そのため、結果ファイルには必ず元のURLを出典として残すよう指示します。重要な内容は、人間が一度元記事を開いて確認する習慣が必要です。
特に「誰がどこへ異動した」という人事関連のニュースは、同名の別人と混同されるケースが多々あるため、原文の写真や経歴紹介を併せて確認する習慣が不可欠です。
市場分析レポートや経済指標を扱う際には、さらなる注意が必要です。AIは数値をそれらしく語ることに長けていますが、数値自体の正確性を保証するものではありません。「今週の原油価格は前週比で4.2%上昇しました」という文がブリーフィングに含まれていても、実際には3.8%である可能性があります。
数値が意思決定の根拠となるのであれば、必ず原典データソース(韓国銀行、統計庁、取引所の開示情報)にもう一度遡って確認する必要があります。
競合他社のモニタリングにおいて、情報の価値は時間に対して敏感です。昨日出たニュースを一週間後に確認しても、その価値は半減してしまいます。そのため、この作業を毎日自動的に実行することが重要であり、Routinesに登録しておけば、ノートパソコンがオフの状態でもクラウド上で実行されます。毎朝コーヒーを淹れに台所へ立ち寄る間に、今日の市場ブリーフィングが机の上のフォルダに用意されている状態になります。
毎朝の自動ブリーフィング生成
一日の最初の30分をどのように過ごすかが、その日の全体の密度を決定します。受信トレイを開いて散らかったメールに引きずられてしまうと、午前中ずっと反応に追われてしまい、本当に集中すべき本質的なタスクに到達できません。朝のブリーフィングはこのスタート地点を逆転させます。机に座る前に、今日の重要な事項が1ページに要約された状態を整える作業です。
構成は以下の通りです。今日のスケジュール、返信が急務のメール、前回の会議で約束したフォローアップ、そして集中を妨げられたくない時間帯。これら4つが一目でわかるMarkdownファイル1つあれば十分です。
ターミナルでブリーフィングスキルを作成します。
Claude Code Desktopのスケジュールタスクで新しいタスクを作成し、プロンプトに「/morning スキルを実行して」と入力して、毎日午前7時に設定します。ノートパソコンが起動しておりアプリが開いていれば、毎日朝自動的にブリーフィングファイルが生成されます。Routinesを使用すればクラウド上で実行されるため、ノートパソコンの状態に関係なく動作します。
結果ファイルを開くと、このような形式になります。最上部には今日のスケジュール3件が表示され、10時の依頼者ミーティングの横には「前回の面談で約束した意見書草案、まだ送付されていない」というメモが付いています。14時の顧問通話の横には、前回の通話の要約2行と、相手企業の最新のプレスリリース1行が添えられています。その下には、返信が急務のメール3通が並んでいます。
代表から送られた社内メール、主要取引先代表からの契約問い合わせ、管轄裁判所の公判日程通知です。それぞれがなぜ緊急かを1文で説明が添えられています。その下には、前回の会議で約束したフォローアップ4件が記載されています。「水曜日までにお送りする資料」「金曜日までにご返信するメール」など、元の約束日とともに一覧されています。
最下部には「本日のディープワークブロックを最低 90 分確保」という文言が表示されています。
弁護士業務において、この手法は特に価値があります。一日に複数の事件を並行して進める場合、各事件の現状を再確認するだけで多くの時間を要します。ブリーフィングに「本日の事件別タスク」セクションを追加すれば、各事件の期限と次のステップが自動的に更新され、一覧表示されます。「X 事件:明日の書面提出期限」「Y 事件:証人尋問の準備が必要」のように、事件名を見るだけで優先順位を判断できるようになります。
ブリーフィングがその役割を果たすためには、一つの重要な点があります。それは、長すぎないことです。ブリーフィングとは、1 ページ、3 分以内で読めるものでなければなりません。20 項目が列挙されたものはブリーフィングではなく、単なる別のタスクリストに過ぎません。プロンプトには「1 ページ、3 分以内で読めるように圧縮」という制約を必ず含めることをお勧めします。自動化は、必要なものを素早く出すために使うのであり、より多く出すために使うものではありません。
散らかったメモを論理的な草案へ整理
文章を書く人のフォルダには、常にメモが散乱して積み重なっています。ふと閃いたアイデアを iPhone に即座に書き留めた一行メモ。会議の最中に紙に書き殴り、スキャンしたスケッチ。講義を聴きながらタイピングした Markdown ファイル。読書中に転記した引用文。KakaoTalk の「自分宛て」チャットに投げ込んだ一文。
これらの断片の間には確かに結びつきがありますが、一つの文章にまとめるには時間と集中力が必要です。Claude Code はこれらの断片を読み、主題ごとにまとめ、論理的な流れを整えて草案として再構成します。
まずはファイルを一つのフォルダに集めることから始めましょう。形式が混在していても問題ありません。テキスト、マークダウン、Word、PDF、音声メモの書き起こしなど、すべてを一つのフォルダに格納してください。
Claude Code を実行し、指示を出します。
「このフォルダ内のすべてのファイルを読み込んでください。同じ主題のものはまとめて、重複するアイデアは一つに統合してください。ただし、原文の微妙なニュアンスの違いは維持してください。その後、主題ごとに小見出しをつけ、論理的な流れに合わせて再配置してください。草案形式の日本語原稿として組み立て、『AI法_原稿草案_v1.md』として保存してください。各段落の末尾には、後で原文を検索できるよう、出典ファイル名を大括弧で表示してください。」
筆者の口調は敬語体(「~です」「~します」)で統一し、禁止表現のリストは project_style.md を参照してください。」
出力されたものは、完成した原稿というわけではありません。断片が分類され、主題ごとにまとめられ、論理的に接続される順序で再配置された状態です。これを著者が再読し、流れを修正し、自らの言葉で整えることが次のステップとなります。
この方式が意味を持つ理由は、記憶の作業を軽減してくれるからです。半年前に記した一行のメモと先月の講義ノートが同じ主題で結びついたとき、著者は「ああ、これら二つはつながるかもしれない」という結びつきをようやく認識します。人はこうした結びつきを偶然に見つけたとき喜びますが、ファイルが数百個も積み重なれば、偶然さえも起こりません。AIが断片を一度に読み込み分類してくれることで、結びつきの可能性そのものが眼前に広がります。
弁護士の執筆には特別なルールが必要です。引用と出典が文章の命だからです。
このルールがあれば、フォルダにメモを放り込んで「下書きを作成して」と指示するだけで、著者の文体が保たれた結果物が得られます。他の著者のフォルダにはその著者のルールが記されており、AIは毎回そのルールに合わせて結果を組み立てます。
一つ警戒すべき点があります。AIは「論理的」に再配置することに長けていますが、論理的であることが必ずしも良い文章とは限りません。良い文章は、時として論理を破り、場面から始まり、結論を先送りします。AIが整理した下書きをそのまま使えば、文章は滑らかになる一方で、味気なくなってしまうことがよくあります。
私がすべきことは、AI が整理した原稿を受け取った後、「どこからシーンを始めるか」「どの部分をあえて飛ばすか」「どの文を最後の二行目に移して余韻を生むか」を熟考することです。AI は断片を並べ立て、私はその列を崩してリズムを作ります。この二つの作業の区別が明確になるほど、出来栄えは良くなります。














